野球専門トレーナーが教える! 筋トレの基礎

身体作りとして行われる「筋トレ」。多くの野球部が筋トレを練習に取り入れています。

”なぜ野球選手は筋トレをするのか”

”何を目的に筋トレをするのか?”

皆さんは選手に以上のことを説明できるでしょうか?“筋トレは大事だ!だからやりなさい!”と押し付ける形になっていないでしょうか?

今回はそんな野球指導者が理解すべき『筋トレの目的』と『基本的な筋トレメニュー』についてお伝えしていきます。ぜひ野球部でも筋トレをメニューに取り入れたり、すでに取り入れていらっしゃればいま一度、確認してみてくださいね。

うねコーチ!うちの野球部でも筋トレを取り入れたいのですが何からはじめれば良いでしょうか?
顧問さん

ストレングスコーチ 畝本京典
そうですね。まずは顧問さんはどうして筋トレを野球部で取り入れたいのですか?

いつもおっしゃてる目的ってところですよね?いま、野球選手の多くが筋トレをしてるじゃないですか?だから「うちの野球部でも!」って思ったんですよね。他の野球部どんな目的で筋トレを取り入れるのでしょうか?
顧問さん

ストレングスコーチ 畝本京典
分かりました。それでは今日は顧問さんに野球部の指導者が理解すべき筋トレの目的についてお話しします。最後にいくつかメニューの紹介もしますね!

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筋トレの目的

ストレングスコーチ 畝本京典
まずは野球部で筋トレを導入する目的ですが、筋トレの目的は体力を向上させることです。

体力??
持久走のタイムをアップさせるとかそういうことですか?イメージと違う気が・・・
顧問さん

ストレングスコーチ 畝本京典
体力と聞くと顧問さんのように持久力をイメージしがちですがここで言う体力はもっと広い意味です。体力は大きく以下の5つの要素に分けれます。

体力の定義

  • 筋力     ・・・力強く身体を動かす力
  • スピード   ・・・速く身体を動かす力
  • 平衡性・協応性・・・バランスよく身体を動かす力
  • 持久力    ・・・長時間身体を動かす力
  • 柔軟性    ・・・柔らかく身体を動かす力

そうだったんですね!柔軟性なども体力に含まれるなんて考えたことありませんでした!そして、筋トレはこれらの要素を鍛えることができるんですね。
顧問さん

ストレングスコーチ 畝本京典
その通りです。筋トレ通してこれらの能力を向上させることができます。それによって、「パフォーマンスアップ」と「ケガの予防」に繋がるのです。顧問さんの言う通り、”筋トレ=筋肉を大きくするもの” であると捉えがちですが、実はそれは一つの要素に過ぎず、これらの体力要素、全てを向上させることが大切なのです

鍛えるのは「動き」

野球の動きを考えると、1つの筋肉を使うわけでなく、様々な関節が同時に動きます。それぞれの筋肉を鍛える事が必要な場合ありますが、「動き」を鍛える事でより野球のパフォーマンスやケガの予防に繋がります。つまり、筋肉を大きくするために重量をとにかく増やしたりするだけでなく、筋トレの種目の目的を一つ一つ理解しながら、力を発揮しやすいフォームを意識的に行う必要があります。同じ種目を行うにしてもフォームによって得られる効果も変わるため、ただやるだけでなくその効果を理解して行うことが大切です。

野球部で取り入れたい簡単にできる筋トレ

ここまで野球で必要な筋トレの目的や動きを鍛えるという事をお伝えしてきました。それでは実際にどのような種目をどのような意識で行うのか?野球のシチュエーションに繋げながらお伝えしていきます。

野球部で取り入れたい筋トレ①
スクワット

目的

地面を押して力を伝える、下半身全体の強化

野球の打つ・投げる・走るなどの動作は全て下半身が主導で動きます。足が着いている状態で地面に正しく力を伝える事で、スピードやパワーが向上します。

方法

  • 足を肩幅程度に開き、つま先は少し外に向ける。
  • 手は肩のラインで手のひらを下に向ける。
  • 股関節・膝・足首を曲げて、ももと地面が並行のところまでしゃがむ動作を行う。
  • 足裏全体で地面を押し、お尻をしめながら上げていく。

ここに注意

・膝が内や前に出過ぎないようにする。
・背中が丸まらないようにする。
・かかとやつま先が浮かないようにする。

野球部で取り入れたい筋トレ②
プッシュアップ

目的

上半身で押して打撃や投球時に力を伝える。胸や肩、二の腕、体幹などの強化

下半身で生み出された力は体幹、上半身という流れで伝わっていきます。最終的に上半身からボールやバットに力が伝わるため、上半身の押す力も必要です。

方法

  • うつ伏せで胸の横に手を置き、手のひら1枚分横に開く。
  • 頭〜足まで一直線で状態を上げる。
  • 姿勢をキープし、肩甲骨を寄せて胸を地面につける。
  • 手のひら全体で地面を押して上げていく。

ここに注意

・脇が開かないように脇を締める。
・お腹が落ちて腰が反らないようにする。
・お尻が浮かないようにする。

野球部で取り入れたい筋トレ③
アブドミナル チョップ

目的

体幹の捻る力、腹筋群の強化

野球は捻る動作がとても多くあります。このトレーニングで力をより効率よく伝え、大きな力を出せるようにします。

方法

  • 仰向けになり膝を曲げる。
  • 膝の内側に柔らかく厚みのある物(柔らかいボールや折り畳んだタオルなど)を挟む。
  • 顔の横で手を合わせて、手を反対側の膝の外に向けて捻りながら上体を起こす。

ここに注意

・上体が起きてから捻ったり、捻ってから起きるのではなく、斜めに真っ直ぐ起こす。
・捻る際に挟む力が弱くならないようにする。

 

野球部で取り入れたい筋トレ④
ダイアゴナルバックエクステンション

目的

体幹の捻る力、お尻や背中の強化

方法

  • 手足をバンザイでうつ伏せになる。
  • 対角線上の手足を真っ直ぐ持ち上げる。

ここに注意

・無理に腰を反らせるのではなく、目線は真下

・アゴを上げない。

・腕が開かないように真っ直ぐ伸ばす。

 

最後に

ありがとうございます!まずは教えていただいた筋トレを野球部で実践してみます!
顧問さん
ストレングスコーチ 畝本京典
頑張ってください。お教えした筋トレは初心者向けのトレーニングです。この筋トレができれば、今度はウエイトやチューブを使ったトレーニングもお教えしますね。まずは基礎的なトレーニングで動きの基礎を作っていきましょう!
はい!頑張ります!
顧問さん

まとめ

  • 筋トレの目的は「体力」の向上
  • 「体力」は5つの要素に分かれる
  • 筋肉を大きくする<動きを鍛える

筋トレは同じ種目であっても、目的によって意識する点や細かいフォームが変わります。誤った形で行う事でケガをしたり、パフォーマンスに悪影響を及ぼす事があります。野球のパフォーマンスに繋がるための筋トレ正しく理解し、実施する事が必要です。もっと詳しく知りたいや実際にアドバイスが欲しいと思ったらぜひLINEでご連絡ください。

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  • この記事を書いた人

keisuke-unemoto

1995年生まれ 千葉県松戸市出身 了德寺大学 健康科学部 整復医療・トレーナー学科 卒業 ストレングス&コンディションニングコーチ 中学生の時に腰のケガをした経験から、「怪我で苦しむ選手ををなくしたい」と思い、トレーナーを目指して、了德寺大学に進学。大学1 年生の時からトレーナーとしてチームの指導し、今まで小・中・高・大学生、社会人、プロ野球選手と幅広い年代のアスリートを指導。 代表チームの帯同も経験。現在は、『野球選手の夢を育む』というビジョンのもと、「パフォーマンスアップ」と「ケガの予防」のために、効率よくカラダを動かすためのトレーニング・エクササイズの指導をしている。

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